減量が必要な時のドッグフード

運動不足や食生活、加齢とさまざまな理由から犬も肥満を患います。日本では半数以上の犬が肥満傾向にあるともいわれています。愛犬の肥満は関節や骨格へ負担が掛かる上に、内臓疾患の原因になることもあり、早期の改善が必要です。愛犬に減量をさせたい時のドッグフード選びの基本をおさえておきましょう。

間違いの多い減量用ドッグフード

市販の減量用ドッグフードの多くは、肉や魚などの動物性タンパク質を配合せず、穀物や植物性タンパク質を主原料としています。この方法で一般成犬用製品と比べカロリーを半分以下に保つ工夫がされています。しかし、犬にとって動物性タンパク質は健康を保つ上で毎日必ず接取しなければならない重要な栄養素です。たとえ減量中であっても摂取をしなくてもよいという理論は通用しません。

間違った減量用ドッグフードで栄養失調になることも

必須栄養素である動物性タンパク質を摂取しない食生活は、エネルギーやカルシウム、鉄分、ミネラルなど様々な栄養素が不足状態に陥ります。数か月もこのような食生活を継続していると、皮膚や被毛が不調をきたすようになります。次第に被毛は艶を失い、手触りもバサバサとした固い感触に変化します。健康のためを思って間違った減量用ドッグフードを与えることで、却って愛犬の健康を損ねてしまう、ということになりかねません。

動物性タンパク質だけが肥満の原因ではない

減量をさせるには、肉や魚を除去すれば効果があるという安易な考えは、肥満の原因そのものを誤解しているからこそ生じる勘違いです。犬の肥満の原因は決して肉や魚を食べているから起こるのではありません。その証拠に野生の狼には肥満体型がいないのですから。
愛犬の肥満の原因は、運動不足やドッグフードの過剰摂取、ホルモンバランスの乱れなどが主な原因です。

減量が必要な時のドッグフード

「減量用」「体重管理用」などを謳った商品は多く販売されていますが、栄養バランスが取れているかというと必ずしも断定することはできません。では、健康的に減量するためにはどんなドッグフードを与えれば良いのか、具体的な特徴を紹介します。

高タンパク質

ダイエット中であっても、タンパク質は豊富に摂取するようにしましょう。タンパク質は筋肉になります。筋肉が増えると基礎代謝がアップして脂肪を燃焼しやすくなり、減量に繋がります。

穀物や植物性のタンパク質は消化不良を起こりやすく、十分なタンパク質を摂取することができません。ビーフやチキン、ターキーなど、どんな動物の肉が使われているか明記されている、動物性タンパク質豊富のフードを選びましょう。

低脂質

犬も人間も脂質の過剰摂取は肥満に繋がります。動物性脂肪は犬の嗜好性を高めてくれるため、ドッグフードに添加されることもおおい成分です。減量を目指すなら、やはり低脂質のフードを選ばなければなりません。

ただし、脂質が全く含まれていないフードは危険です。犬が体内で合成することができない必須脂肪酸という栄養素は、食事から摂取しなければならないためです。必須脂肪酸は含まれているうえで、脂質が抑えられているフードを選びましょう。

食物繊維が豊富

食物繊維は腸の中で膨らんで満腹感を持たせてくれます。そのため、少ない量の食事でも犬は満腹感を覚えてくれるのです。さらに、腸の中で余分な脂質を吸着して便として排出するのを促してくれます。

食物繊維は摂り過ぎると便秘になってしまうこともあります。フードと一緒に水をしっかりと飲ませてあげましょう。常に便の状態を確認しつつ、与える水の量を調節させましょう。

ドッグフードは変えずに摂取量を減らして減量

食べすぎが原因の肥満を解消したい場合、まずはドッグフードを変えずに与えるフードの量を減らしましょう。例えば、日々の食事を10%相当量減量します。この状態で数週間様子を見たうえで、体重を計測します。体重が減少傾向にあれば、そのままの分量を継続します。もし体重に変化がない場合は、15%相当量にまで減量する量を増やします。急激に食事量を減らしてしまうと愛犬にストレスを与える事になり、かえって逆効果です。数か月単位で量を減らすようにしましょう。

食事量が減ることで犬がストレスを感じるようになった、一向に痩せないということがあったら、ドッグフードの変更を考えましょう。また、犬の体重が適正体重よりも15%以上多いという場合は、食事の量の調整だけでの減量は難しいため、やはりダイエット用のフードに切り替えましょう。

減量中だからこそ良質なドッグフードを

減量を目指す場合、最も見直すべきことは日々の食事です。栄養が偏っていないか、摂取量は多すぎないか、よく確認しましょう。食事量が減り、体重の減少が始まると、犬は本能的に食事からより多くの栄養を吸収しようと体の機能が働きます。この働きを有効なものにするために、減量中こそ良質な動物性タンパク質を十分に配合した高品質なドッグフードを与えるよう心掛けてあげましょう。

参考
ダイエット中のドッグフードの減らし方
http://www.mikidog.jp/5.html
減量が必要なときのドッグフード①
http://www.downtownlancaster.com/weight-loss.html
減量が必要なときのドッグフード②
http://www.frontierspublishing.com/2703/features/feat3.html