ウェットタイプのドッグフードの注意点

食にこだわりの強い小型犬にとって味が濃く、食感のいいウェットフードは何よりの大好物です。製品のアイテム数も多く、毎食違う風味を用意したり、通販で珍しい素材の製品を取り寄せたりと何かと工夫をしがちです。でもウェットフードは美味しさの反面デメリットもあります。与える時の注意点をしっかりと意識して適切に取り入れましょう。

嗜好性抜群なウェットタイプ

ウェットフードは非常に嗜好性が高く、肉や野菜など素材そのままの食感を楽しめるので、ドッグフードに少量をトッピングするだけでも愛犬の表情がまるで変わるほどです。でもあくまでも嗜好品と考え、与える時は下記の点に注意をしましょう。

高い嗜好性の理由は添加物や動物性油脂

ウェットタイプのドッグフードは、特有の風味、食感、色合いを残すために添加物や動物性油脂、着色料、保存料の使用量が非常に多いです。ドライタイプドッグフードの数倍と考えて良いでしょう。そのため、日々の主食として接取し続けることは愛犬の健康上理想的とはいえません。添加物を摂り過ぎると健康に悪影響を及ぼす可能性があることも指摘されています。あくまでも食欲不振の改善、食べ飽き対策など一時的な利用にとどめるとよいでしょう。

栄養バランスが整っていないことも

ドッグフードは総合栄養食、食事、補助食、副食など、その栄養バランスによっていくつかの種類に区分されています。ウェットフードは大半の製品が補助食、副食という分類です。つまり、栄養に偏りがあるウェットフード単体では栄養が不足するため、主食としては不十分ということです。

与える時はパッケージ記載されている分類を確認し、不足している栄養素をドライフードやサプリメントなどで補う必要があります。ウェットフードメインで与えたいという方は、総合栄養食という表記のあるウェットフードを選びましょう。

歯垢、歯石対策が必須

ウェットフードの製造工程で添加される成分は、原材料をゼリー状に凝固させる役割を果たしています。この成分は非常に粘着性が高く、愛犬の歯の表面に付着すると様々な食べかすも歯にくっついてしまいます。その結果、次第に歯の表面に残留した食べかすが虫歯や歯垢、さらには歯石になります。ウェットフードを常食として与える場合は、定期的に歯磨きや歯垢ケアを行う必要があります。

ウェットフードの与え方

毎日の食事には向かないウェットフードですが、やはりドライフードばかりでは犬も飽きてしまうかもしれません。ウェットフードも適度に与えて、愛犬の食事を豊かにしてあげましょう。

与えるのは週1~2回ほどで

ウェットフードを与えるのは週に1~2回ほどに留めておきましょう。これよりも多くなってしまうと、ドライフードを食べなくなってしまう恐れがあります。ウェットフードはご馳走と飼い犬に覚えさせましょう。

トッピングとして活用

ウェットフード単品で与えるのではなく、ドライフードのトッピングとして与えても良いでしょう。水をあまり飲まない犬は同時に水分も補給できるため特におすすめです。

週に何度もトッピングをすると、トッピング無しでは食べなくなってしまうことがあります。やはり週1~2回程度にしましょう。トッピングのウェットフードだけを食べて困るという場合は、ドライフードとウェットフードをしっかりと混ぜ込んで与えましょう。

薬をこっそり飲ませたいとき

犬がなかなかお薬を飲んでくれなくて困るという時は、ウェットフードを利用してみましょう。粉末の薬の場合は、ウェットフードに薬を混ぜて与えることができます。錠剤の場合はパテタイプであれば、薬を包んで食べさせることができます。ウェットフードは嗜好性が高いため、病気の犬の栄養補給にも最適です。

ウェットフードはあくまでも食事の補助が基本

嗜好性が高く、愛犬の大好物でもあるウェットフードは、栄養面、添加物の面から考えてもあくまでも補助的な食事という位置づけにおく事が理想的です。特別な理由でもない限り主食にすべきではありません。ドッグフードから接取した添加物は長い年月をかけて体内に蓄積され、シニア期を迎えるころに病気となって発症します。若く健康なうちから、将来の健康を考えた食生活をさせてあげましょう。