野菜と聞くとヘルシーな印象を受ける方は多いのではないでしょうか。犬が太ってきたり、年を取ってきたりすると真っ先に気になるのは健康です。そこで、犬にもヘルシーな食事を与えたいと思うことでしょう。ドッグフードの中には野菜をメインに配合したものも登場しています。しかし、気になるのは栄養面です。安易に飛びつくのではなく、まずは犬の食性について考えてから購入を検討しましょう。
犬の必須栄養素は動物性タンパク質
犬が健康を維持する上で必ず接取しなければならない栄養素の種類は、人間とほぼ同じです。ただ肉食性がやや強い犬の場合、それぞれの栄養素を摂取すべき比率は人間とは異なります。犬の場合、最も多く接取すべき栄養素は動物性タンパク質です。
ダイエット用やシニア用低カロリー製品として野菜をメインにしたドッグフードも市販されています。しかし、こういった製品は犬が最も必要な動物性タンパク質を配合せず、代わりに野菜や穀物を使用していることが多いです。そのため、長期間与える事で犬はタンパク質欠乏症を起こしてしまう可能性もあります。
したがって、動物性タンパク質の摂取が求められる犬にとって、野菜ばかりを使ったドッグフードが良いとは必ずしもいえないのです。
野菜にも糖分、カロリーがある
野菜はビタミンが豊富ではあるものの、糖分やカロリーがないという事ではありません。特に野菜の中でも大根や人参、イモなどの根菜類は非常に糖分が高く、白米などの代用になるほどです。野菜を活用する時はそれぞれの目的に合わせて献立を考えましょう。
根菜類や豆類を用いたドッグフード
早急に体重を落としたい、アレルギー対策に一旦食生活をリセットしたいという時は、市販のドッグフードをすべて除外し、根菜類で代用した手作りの食事が効果的です。根菜類に含まれる糖分や、豆類による植物性タンパク質で一時的に代用し栄養バランスを整えます。
根菜は大根やレンコン、にんじんなどがあります。豆類は生で与えると中毒を起こすことがあるため、必ず火を通しましょう。ひよこ豆や大豆の他に、豆腐や納豆といった加工した大豆製品もおすすめです。
葉物野菜を用いたドッグフード
風味や食感をの変化や、トッピングに使用している缶詰の代用、栄養バランスの調整にという目的であれば葉物野菜が活躍します。栄養価が高く、調理の手間もかからないので簡単に準備ができます。
葉物野菜には、キャベツやブロッコリー、小松菜やケールなどがあります。細かく刻み、さっと火を通して与えましょう。
葉物野菜に多く含まれるビタミン類は加熱することで消滅してしまう性質をもっているので、加熱は最低限時間にとどめておきましょう。
野菜を与える際の注意
犬の食事にドッグフードを取り入れようとしている方は、注意が必要なことがあります。この点が押さえられていないと、愛犬の健康を損ねたり、最悪の場合は命を落としてしまったりすることもあります。与える前に必ず確認しておきましょう。
食べると危険な野菜がある
人間は食べても問題はないのに、犬が食べると中毒症状を起こしてしまう野菜があります。よく耳にするのは玉ねぎですが、他にもいくつかあります。
- 玉ねぎ
- ニラ
- ネギ
- にんにく
- アボカド
これらの野菜は生でも加熱していても犬に与えてはいけません。最悪の場合、死に至ることもあるため、絶対に与えないようにしましょう。
味付けをしない
野菜に関わらず、手作りでドッグフードを作る時は、塩コショウなどの味付けはしないようにしましょう。人間が美味しいと思うほどの塩気のあるものを犬が食べると、塩分過多になってしまいます。また、濃い味付けに慣れてしまうと市販のドライフードでは味気なくなってしまって食べなくなる、という問題が起こってしまいます。
犬が素材そのものの味を楽しめるように、味付けはしないようにしましょう。
野菜は上手に取り入れる
野菜のみを食事として与え続けると、タンパク質や脂質など犬が必要な栄養素を充分に摂取することができません。また、植物である野菜は犬にとって消化しやすい食べ物ではないため、一度に大量の野菜を食べてしまうと消化不良を起こしてしまいます。
大切なのは、摂取できる栄養素のバランスを把握して与えることです。野菜をメインの食材として考えず、ドッグフードの補助やトッピングとして活用するようにしましょう。